アイアンことXL883N乗りなら必ず経験するであろう、カーブでバンクさせた時の車体の擦れ。
一昔前のスポーツスターと比べ、2009年に発売が開始されたXL883Nは、最低地上高が大分低くなったので、Rのきついカーブで車体を傾けると簡単に車体を擦ってしまいます。
そんな時に車体と地面の接近具合を知らせてくれるのが、ステップ(フットペグ)の裏側に設置されている「バンクセンサー(ウェアペグ)」です。
今回は、アイアンの場合消耗品とも言えるバンクセンサーを自作する方法をシェアします。
バンクセンサーとは
自作方法を解説する前に、簡単にバンクセンサーについておさらいしておきましょう。
バンクセンサーは、マフラーやフレームなどのバイクにとって重要な部品が地面と接するのを防ぐ為に、フットステップの裏側などに付いている金属製の突起物です。
ハーレーの場合は「ウェアペグ」と呼ばれています。
車体側にはねじ山が切られており、ボルトのように回して取り付けるタイプが大方です。
ネイキッドをはじめアメリカンやツアラーなど、マニュアルの二輪車には広く取り付けられていますが、スクーターには付いていない場合も多いようです。
全体的に車体が低い設計となったアメリカンバイクにとって、車体を守るという意味でとても重要な部品です。
ノーマルのスポーツスターにとってバンクセンサーは非常に重要!
スポーツスターという名前からするとバンク角がありそうでコーナーで車体を傾けても問題なさそうに思いますが、実は現行のスポーツスターはカーブがとっても苦手です!
私が所有しているXL883Nは、右カーブの際に車体を少し寝かすとすぐにマフラーを擦ります。
現行モデルの他のスポーツスターにも乗りましたが、バンク角は日本車とは比較にならないくらい浅いですね。
2000年前後のスポーツスターは最低地上高がある程度確保されていたので、これほど簡単に車体を擦ることはありませんでした。
私が思うに、2009年以降に発売されたアイアン辺りから見た目のカッコ良さを追求し、最低地上高を低く設計した為、バンク角が浅くなったと考えています。
そういった点から、現行のスポーツスターにとってバンクセンサーは必須であり、消耗部品とも言えます。
しかし、ハーレー純正品であるバンクセンサー(ウェアペグ・商品番号33130-07A)は、税込みで1本1,600円程します。
左右両方を新調するとなると3,200円もしますし、純正部品を注文するとかなり時間がかかるのがネックです。
そこで今回は、XL883N用のバンクセンサーをホームセンターで売っている品で自作する方法を共有します。
XL883Nのバンクセンサーを自作する手順
まず初めに。今回の記事は、改造していないノーマルのXL883Nであった場合という前提で解説します。
サスペンションをはじめ、ステップやタイヤ等の足回りをカスタムしているとバンク角が変わってきますので、本記事の手法は参考にしないようお願いします。
※尚、如何なる不具合があっても当方は責任を負えませんので、以下の内容はすべて自己責任で行って下さい。
①部品を用意
私が使用したパーツは以下です。部品代全てで400円程でした。
- 「M6×40㎜」または「M6×35㎜」のステンレス製六角ボルト (ピッチサイズ1.0)
インチのボルトが使われているハーレーですが、なぜかステップ裏のねじはM6が合います。
- M6の六角ナット (ボルトと同梱されていたら不要)
- M6ねじ用のスペーサー(6㎜×10㎜)
②長さ調節
私の場合、バンクセンサーを気持ち長めにしたかったので、「M6×40㎜」のボルトにスペーサーを3個とナット1個で組みました。
純正と同等の長さにする場合は、「M6×35㎜」のボルトを使い、スペーサーを鉄工ヤスリで少し削るなどして長さを調節する必要があります。
③ステップに取り付け
上記のボルトの場合、ヘキサゴンレンチのサイズ5が合います。
実際に取り付けると以下のようになります。
スペーサーの継ぎ目が若干気になりますが、私の近くのホームセンターには6×10以上に長いスペーサーはありませんでした。
Amazonには6㎜×30㎜のスペーサーがありますので、こちらを使っても良さそうですね。
自作バンクセンサーを使ってみての感想
ホームセンターで揃えた金物で作ったバンクセンサーを付けてから1000㎞程走行しましたが、純正のバンクセンサーと遜色ないばかりか、私的にはそれ以上にその機能を果たしてくれています。
特筆すべき点として、私の車両の場合、右カーブを曲がる際に純正のバンクセンサーでは付けていてもマフラーの底を擦ることがありましたが、自作品は少し長めにしたのでマフラーを擦ることは無くなりました。
尚、今回私が使用したボルトはステンレス製なので、純正品より硬度が高い可能性があります。
その為、センサーを擦ったままコーナリングすると、ボルトがアスファルトに引っかかって最悪転倒することもあり得ますので、センサーに触れたらすぐに車体を戻すように気を付けて乗っています。
最後に
本記事を参考にされる場合はあくまで自己責任で。
バンクセンサーに頼らずともカーブ進入前にはきちんと減速して、安全運転を第一にライディングを楽しみましょう。
追記
先日ホームセンターのコーナンで、6×30㎜のスペーサーを見つけたので購入し、今までの10㎜のスペーサーと付け替えてみました。
因みに、30㎜のスペーサーは1袋4つ入りで100円程でした。
10㎜を3つ組み合わせたバンクセンサーとの比較です。明らかに左側の方が見た目的にイイですね。
実際に取り付けてみても良さげです。
これならわざわざ純正品を注文せずとも十分実用に耐えそうです!