ハーレー界隈で人気の魔法のねじを自作!独自除電ボルトをスポーツスターに取り付けて効果を検証

魔法のねじを自作! スポーツスターに取り付け

魔法のねじや除電ボルトとも呼ばれるインジェクターチューニングボルトをあなたはご存知だろうか。
この商品は、インジェクション周りの既存のネジと付け替えるだけで、エンジン各部の性能を向上させるとされる商品である。
CLUB HARLEYをはじめとするハーレー系の雑誌で紹介されることが多く、付けただけで「走りが良くなった」や「メカノイズが減った」等、良好な口コミが多く寄せられているようだ。
今回は、そんなインジェクターチューニングボルトを自作し、私のスポーツスターアイアン883&1200に取り付けたので、その方法をシェア。各部への取り付け方と、実際使ってみての感想を述べます。

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まず「魔法のねじ」こと、インジェクターチューニングボルトとは何なのか?

インジェクターチューニングボルトは、神奈川県厚木市に本社を構える「エヌジーシージャパン」と言う会社が開発したバイク用のカスタムパーツである。

魔法のねじとは
正式名称は上記だが、通称は、一番多く呼ばれているのが「魔法のねじ」で、2番目が「除電ボルト」、3番目が「魔法のボルト・ナット」である。

販売は、主に、吉本興業の大御所お笑い芸人、ダウンタウン両人の生まれ故郷となる兵庫県尼崎市に本社を構えハーレーディーラー等を運営する「寺田モータース」や、横浜市幸浦のハーレーチューニングショップ「パインバレー」が主に担当している。

現在付いているボルトやナットと交換するだけで、手軽に体感できるほどの変化が得られるとして、ハーレーフリークから密かな人気がある商品だ。

インジェクターチューニングボルトの仕組み

ボルトの先端に付いている花びらのような形をした金具により、空気中に静電気が放電されることで、バイク内部に帯びる静電気を除去し、各部の動きの良くするというもの。

インジェクション周辺につければ、燃料の噴射を妨げる静電気を除去し、インジェクターの性能を最適化する働きがあるそうだ。

また、サスペンションやスイングアームにつければ、それらの動きを良くする働きもあるんだとか。

インジェクターチューニングボルトを自作する前に知っておくべきこと

インジェクターチューニングボルトは、スポーツスターやソフテイルに付けられるインチネジのものをはじめ、国産バイクに合うミリネジのもの等、バリエーション豊かに幾つもの種類が用意されている。

製品ごとにボルトの形状は異なるが、先端に付いている花形の金具の形は全てに共通しているのがポイントだ。

この花形の金具は、メーカー(NGC JAPAN)が工場に依頼して独自に調達しているのかと思いきやそうではない。実はこれ、歯付き座金又は菊座金と呼ばれるナットの緩み止め防止に使われている既製品であった。

花形の金具の正式名称は?

インジェクターチューニングボルトの先端に付いている金具(菊座金)の正体は、練馬区三原台に所在する大陽ステンレススプリング株式会社が製作する「歯付き座金 皿歯形」という商品である。

歯付き座金 皿歯形

正式名称は「歯付き座金 皿歯形」だが、販売店によっては「歯付きワッシャー・皿形」や「歯付座金・皿形」「菊座金・皿形」等と表記されることもある。ホームセンターでは絶対に取り扱っていない超マイナーなワッシャーである。

素材は、ステンレスの一種で腐食しにくいばね鋼の「SUS304-CSP」。本来はねじの食いつきを良くし、緩みを防ぐ為のものである。

と言う事は、この菊座金を入手して六角ナットに溶接すれば魔法のねじは作れてしまうわけだ。

しかし、一般家庭に溶接するための機械はないだろう。
溶接などを請け負ってくれる町工場はあるが、1回の溶接につき千円近くのコストが発生するので、インジェクターチューニングボルトそのものの値段とそれほど変わらなくなってしまう。

そこで今回は、溶接等の加工を一切必要とせず、車体にがっちりと歯付き座金を固定する方法を検討してみた。

テルゾのキーフォブケース

インジェクターチューニングボルトを自作する方法

今回本記事冒頭で自作と銘打ってはいるが、実際は「歯付き座金 皿歯形」を無加工でスポーツスターに固定する方法である。

歯付きワッシャー・皿形

要は、歯付き座金をバイク車体の金属面にしっかりと触れた状態で固定できれば、魔法のねじと同等の効果が得られるのではないかという考察から生まれたレシピである。

ちなみに、魔法のねじに採用されている歯付き座金・皿歯形のサイズは8ミリ
各通販サイトでは、素材やサイズの違う製品も数多く販売されているので、当サイト記載の下記リンクから購入すれば間違いないはずだ。

歯付きワッシャー 皿歯形
ステンレス/生地 歯付きワッシャー 8ミリ

それでは早速、歯付き座金・皿歯形の取り付け方法を3つ解説していく

取り付け方法は全部で3つある。その①とその②は工具など一切使わず簡単に再現可能で、最後のその③は、少し取り付けにコツはいるが、私自身最も効果が体感できた方法なので是非ともトライしてみてほしい。

①タンクの取り付けボルトに設置する

まず一つ目は、スポーツスターのフューエルタンクの前側の固定ボルトに取り付ける方法。これは比較的簡単だ。

フューエルタンクの左ボルトに取り付け
ネジ山を隠すためのボルトキャップを外し、ナット側面の金属面に接するように歯付き座金をはめる。そして元あったキャップを被せて固定すればOKだ。

②スイングアーム末端にある、ドライブベルトを調整する為のアジャスターナットに取り付け

インジェクターチューニングボルトのメーカーの発表では、スイングアームに取り付けると、足回りの動きが良くなるそうだ。
なのでスイングアームの後方にあるドライブベルト調整ボルトに取り付けることもおすすめだ。

ドライブベルトのアジャスターナットに取り付け
付け方は、こちらも、スイングアームの末端に付いているボルトキャップを外し、そこに歯付き座金をはめて、キャップを上から取り付け固定するだけ。
左右両方つくはずなので、両方をつけたほうが効果的なはずだ。

但し、走行距離が少なくベルトの伸びが少ない車両の場合、ネジ部の余りが多くボルトキャップとナットの間にクリアランスがある場合がある。その際はホームセンターなどで8ミリのボルトキャップを購入し、開口部をハサミでカットしてキャップ部分に継ぎ足せば、アジャスターナットに歯付き座金を接触させながら固定することが可能だ。

③インジェクターのフレーム部分に取り付ける。

今回紹介するインジェクターチューニングボルトの取り付け方法の中で、この方法が最も有効で体感できるほどの変化を感じることができる。

エンジン左側のインジェクター部分にある金属性のフレーム部分に、歯付き座金をボルトを介して留める。

インジェクターのフレームに取り付け

用意するものは、太さ3ミリ長さ8ミリの小さいボルトとナット、そして4ミリのワッシャー2枚だけ。大抵のホームセンターに売っている。
それをうまく組み合わせてフレームに取り付けるのだ。

必要となるM3x8ボルト

フレームへの取り付け方は、下記の順番でフレームに固定する。
ボルトの取り付け順
M3x8ボルト→M4ワッシャー→歯付き座金 皿歯形→フレーム→M4ワッシャー→M3ナット、の順番で組み上げる。

後ろのコネクターを外す
取り付けの際、フレームの後ろにあるインジェクターのコネクターが邪魔になり指が入らないので、コネクターは前後とも外しておこう。

M3x8ボルトを六角レンチを用いて締める。緩まないように強めに締めるのだが、目安はM4ワッシャーが少したわむ程度が丁度いい。
独自魔法のねじの取り付けが完了
ワッシャーをたわませることで、戻ろうとする力が働き、これがスプリングワッシャーのような働きをしボルトのゆるみを予防してくれる。

一見落下してしまうでのはないかと不安になるが、私はこの方法で取り付けていて4万キロ以上走行しているが、一度も歯付き座金が外れた事は無い。

また、1カ所だけよりも2カ所つけたほうがより効果が体感できたので、左右一個ずつの計2個付けるのがおすすめである。

テルゾのキーケース

実際に各部に歯付き座金を取り付けてみて

魔法のねじの先端に溶接してある「歯付き座金 皿歯形」に静電気除去効果があるとすれば、歯付き座金自体を車体に固定できればよいのではないか…という考察から今回の自作方法を試しました。

アイアン883

実際にその③で紹介したインジェクター部の取り付け後の感想としては、明らかにエンジン周辺から発せられる雑音が減った印象。所謂プラセボ的な作用の可能性もあるが、パワー自体も上がったように感じた。

なお兄的には、静電気除去がハーレーにとって良い作用を生む感じがするので、歯付き座金が付かない部分に関しては、正規品のインジェクターチューニングボルトも活用してチューンしていきたいと思う。

以上がインジェクターチューニングボルトを自作する方法である

いかがでしたか。除電ボルトが気になっていた方は、ぜひ上記を参考に自作してみてください。既製品を購入するよりかなりお得です。

最後に、本記事が参考になったと感じ、なお兄へのお礼がしたいという方は、以下のリンクから歯付きワッシャー・皿形を購入してもらえればと思います。

歯付きワッシャー 皿歯形
ステンレス/生地 歯付きワッシャー / 8ミリ (10個入り)