近年のハーレーダビッドソンの新車販売台数のトップ2と言えば、今までのスポーツスターの概念を覆すロー&ショートなフォルムが売りの「フォーティエイト」ことXL1200Xと、2009年のデビューよりほぼ変わらないスタイルで人気を博する「アイアン」ことXL883Nです。
どちらもハーレーに数種あるファミリーの中で「スポーツスター」という同メーカーの中では小排気量のシリーズに属しており、お値段は130万から150万円と比較的手頃な価格帯となっています。
今回は、今やハーレーの顔とも呼べる存在になってきた2大人気モデル「XL1200X」や「XL883N」を自分でメンテナンスするオーナーなら知っておきたい、メーカー純正の消耗部品の品番情報をシェアします。
さらに私が実際使ってみて良かった純正部品と同等クオリティの代替品やリプレイスメント品もご紹介します。
まず、私も所有するXL883N(アイアン)について
私も乗っているアイアンは、以前のスポーツスターと比較すると最低地上高が大幅に下げられ、誰もがカジュアルに乗れるストリート感のあるデザインで2009年にローンチされたモデルです。
発売当初からあるマットブラック(厳密には現在のデニムブラックとは異なる)はアイアンの代名詞的ボディカラー。標準でシングルシートやフォークブーツが装着されていて、ノーマルでも十分にカスタムテイストに溢れている。
2016年にはホイールやエアクリーナー等のデザインを一新し、大幅なマイナーチェンジを果たす。それまであまり評判の良くなかった硬めのシートは、クラシカルな見た目でふかふかな触感のタックロール風シートに変更された。
2018年には、同じ「アイアン」の名がつけられた「XL1200NS」が発売されたことにより883の販売台数は減少したが、2020年現在も新車販売が継続されている多くのファンを持つモデルである。
従来のスポスタとは一味違うXL1200X(フォーティエイト)とは
国内での大型バイクの販売台数トップ3の常連である「フォーティエイト」。見た目の大きさを競っていた一昔前の日本メーカーのアメリカンバイクとは異なり、全長は220cm・全幅は85cm程とコンパクトに仕上がっています。
特徴と言えば、車格は小振りながらアメリカンらしく脚を前に投げ出すような形で乗車するフォワードコントロールとなっている点。ハンドルはドラッグバーなので、横から見た時の体は「くの字」に近い乗車姿勢になる。
同ファミリーのスーパーローに次いでシート高が低く、乗車すると容量8L未満の小さなピーナッツタンクが胸の辺りの高さとなる。足付き性は申し分ないものの、ステップ位置が前方なので小柄な女性では乗車姿勢がきついとの評判もある。
アイアンと同じく2016年にマイナーチェンジを迎えており、ホイールはスポークからキャストへと変更された他、フロントフォークの大径化とトリプルツリーのリビルドもなされた。個人的にはこの仕様変更がフォーティエイトの人気を盤石なものにしたと思っている。
XL1200XとXL883Nの消耗品パーツリスト
まずはじめに今回紹介する部品は、オイルチェンジをする度に交換しなくてはならないパッキンや、距離を走れば必ず必要となるエアクリーナーエレメント等、比較的消耗しやすく交換頻度の高いパーツにのみ限定して記載します。
対象モデルは上記2車種の他ほぼ全てのパーツがXL1200NSにも流用可能で、対象年式は2009年から2020年までです。
XL1200XとXL883Nの共通部品
リンク先は私も使っているおすすめのパーツです。純正だけでなくOEM品もあります。
プライマリーカバー周辺パーツ
・プライマリーオイルのドレンボルト用Oリング
ボルトを外す度に交換が必要。純正品は300円程で作りが細め、アフターパーツは50円からあります。
純正品番:11105
→ 純正で送料無料
・ダービーカバー用ガスケット
丸いカバーを開ける度に交換が必要。値段は純正・社外共に400円前後。何度も使い回すとオイル漏れを起こし最悪ミッションが傷みます。
純正品番:25463-94A
→ 毎回交換必須な大き目のガスケット
・インスペクションカバー用ガスケット
表に出ている金属製カバーをプライマリー側に密着させる為の樹脂製のガスケットです。毎回交換が推薦ですが、私は2回に1回の交換としています。
純正品番:34990-08
→ 純正より安いアフター品
・インスペクションカバー 0リング
カバーを留めている2本のボルトに装着する小さなリングです。見落としがちですが毎回交換が必要です。
純正品番:11171
→ 用品店でも取り扱われている小さなOリング
エンジンオイル関連
・オイルフィルター
エンジンオイル交換2回につき1度交換。キジマ性は中に強力な磁石が設置されていてスラッジを集めてくれます。
純正品番:63805-80A
→ 評判の良いキジマ製
・オイルタンクキャップのOリング
キャップの付け根付近についている太めのパッキン。毎回の交換は必要ありませんが、頻繁に油量チェックされる方はリングの傷みも確認しましょう。
純正品番:11120
→ 安いので年1回は交換したいスティックのパッキン
・ドレンプラグ
ドレンホースの排出口に付いている樹脂製の栓です。再利用可能なので交換の必要はありませんが、アイアンの前期型はこのプラグが下に向いており、地面にヒットする場合があるので念の為記載します。
純正品番:33123-06A
→ 念の為持っておきたいドレンプラグ
ガソリンタンク周り
・ガスキャップOリング
キャップ内側の溝にはめ込んである太めのパッキン。耐久性のある部品ですが数年に一度は交換したほうがいいでしょう。
純正品番:61109-85D
→ ハーレーの多くのモデルに使用可なタンク蓋のパッキン
吸排気系
・エアクリーナーエレメント(2013年以前)
1万キロ程度での交換が必要。前期型は四角い形状。ガスケットとセットで交換が必要。私自身DSの製品を使っているが全く問題なし。
純正品番:29331-04
→ 頗る良好に使用中のDS製のペーパーフィルター
・エレメント(2014年以降)
こちらの後期型は楕円形。純正品は8千円程で、アフターは4千円以内であり。
純正品番:29400015
→ 純正同様のペーパータイプ
ドライブベルト
純正品は米国では193ドルだが、国内のディーラーで注文すると高額に。3万キロ以上で点検し、必要に応じて交換。
純正品番:40591-07
→ 定番のDS製 137T
・アイアンの2013年以前
純正品番:40371-07
→ 136T
スパークプラグ
プラグに関しては純正を推薦。同じ型番であってもイリジウムプラグ等の社外品は不具合報告ありなので非推薦。
品番:6R12
→ プラグは純正一択
ハンドルグリップ
極シンプルで握りやすい純正のハンドルグリップ。メタル製の社外品とは比べ物にならないくらい機能性は良好だが、2,3年でグリップ部分に傷みが生じてくる。私がおすすめするDS製グリップは純正同等の品質で耐久性もある。
純正品番:スロットル側 56666-04 / 左側 56667-04
→ 現在使用中のDS製グリップ
マフラーヒートガード用クランプ
車体を右にバンクさせた時に真っ先に擦るのがこのパーツ。ねじ山まで擦ってしまうと外せなくなる恐れがある為、ヒットした場合は早目の交換が推薦。マフラーの色により品番は異なるが、サイズは同一。純正は1個2千円と無駄に高いのに優位性はあまりないので汎用でOK。
純正品番:黒 10800010 / ステンレス地 10074
→ 私も買った汎用クランプ
以上がフォーティエイトとアイアンの純正部品リストです
今回記載した多くのパーツは、どれも1年程度乗っていれば必要になるものばかりです。
簡単なメンテナンスであってもディーラーに依頼すると思いの外高額な費用が発生してしまいます。
ハーレーは走るだけでなくメンテナンスするのも楽しみの一つです。ぜひご自身で整備を行って、お財布とバイクに優しい、楽しいバイクライフをお過ごし下さい。
尚、エンジンオイルやミッションオイルに関しては、以前書いた「スポーツスターのオイル交換方法」の記事に詳細を記載しているので、こちらも併せてご覧下さい。